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初ものがたり

初ものがたり
宮部 みゆき
初ものがたり
定価: ¥ 1,020
販売価格:
人気ランキング: 636708位
おすすめ度:
発売日: 1995-07
発売元: PHP研究所
発送可能時期:

うまそうな捕物帖
本所深川一帯を取り仕切る「回向院の旦那」こと岡っ引きの茂七親分とその子分たちが活躍する捕物帖六作が収められた短編集です。
他の宮部作品のように、登場人物たちが活き活きと描かれていることに加え、ミステリとしてよくできているトリッキーなものから人情話まで揃っていて、とても楽しく読めました。
さらに加えて、一作ごとに様々な食べ物が出てくるのですが、これがなんともおいしそう。捕物帖にうまそうな食べ物ときたら、有名時代小説家の影響を受けているのか、オマージュか、ともとれますが、何にしろ、この料理の数々が本作の楽しさに彩りを添えています。
この食べ物を出すのが、正体不明の屋台の親父。なかなかの料理の腕を持ち、もとは武家だったようで、地元のやくざの親分にも顔が効き、さすがの茂七親分もなかなか正体がつかめない。この謎の屋台の親父のことを、一作ごとに少しずつ少しずつ小出しにしていく思わせぶり加減は、さすがは宮部みゆき!もう、気になって気になって。早く続きが読みたいですねぇ。

満足点の江戸情緒
深川の永代橋近辺ってところが、日本橋とかを舞台とするよりリアルで良いですねぇ。TVの時代劇では岡引が大店の当主にまで威張ってるシーンがありますが、岡引の身分から考えるとそんなにエラクもなく威張れるはずもないわけで、茂七が敬語をつかったり、キンチョーしたりするところなんかも、なかなかリアルでした。

あと、茂七が常連となる屋台もいなり寿司屋ってのが良い。江戸時代の屋台といえば、時そば、寿司・天ぷら、いなりですが、題名が「初もの」なので、天ぷら・寿司にいくかと思いきや、いなりに行くところが渋いです。まぁ、いなりだけじゃハツモノは出せないでしょうから、いなり屋台にして小料理からデザートまで出てきますが。。。



ぜひとも続きが読みたくなる一冊
茂七親分とその手下たちがいきいきとした町人の生活感が漂う本所深川を舞台に事件を解決していく捕り物帳。
短編の体をとりながらも、謎を秘めた稲荷寿司屋の親父と千里眼を持つ日道坊やが各編を通して登場するので、長編とも取れる。
宮部さんの歴史物は、取立て切れ者の親分が登場するわけでもなく、ごく普通の人間くささを持ちあわせ、人情にも厚いのが特徴で、そこが読んでいて親しみが持てる。
この世界感を持って続編が書かれることを切に望む。



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