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幻夜

幻夜
東野 圭吾
幻夜
定価: ¥ 1,890
販売価格: ¥ 1,890
人気ランキング: 66543位
おすすめ度:
発売日: 2004-01
発売元: 集英社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

「白夜行」と続けて読むべき
美冬=雪穂 ってのは間違いないと思う。
だから、ってわけじゃないけど、この本を読もうと思ってる人は絶対に「白夜行」と続けて読むべき。
そうじゃないと、面白さも半減するような気がする。

でも、なんてのかなぁ。
雪穂に比べて、美冬には何かが欠けてるような気がするんだよね。
何が、って言われたらうまく説明できないんだけども。
やっぱり、何が美冬をあそこまで追い立てるのか、って理由がいまいち伝わってこないからなのかもしれない。
最終的な目的がいったい何なのか?
単に美を追求するだけなのか?
そのためにあそこまで冷徹になれるものなのか?
そのへんの答が出ていないのが、物足りなさのひとつなのかも。

それにしても、雅也は悲惨だ。
それに、あそこまで美冬に従順になってしまう理由もいまいちわからない。
「白夜行」の桐原にはなんとなく感じられたんだけどね。
男ってのは、やっぱり魔性の女にはかなわないんかなぁ…、とか思ったり。
有子と結ばれていれば間違いなく幸せになれてたんだろうなぁ、って思うとホント可哀相だよね。

それにしても、東野圭吾の書く女性像ってみんなすごいような気がするのは私だけなんだろうか。

最終章で台無し
「白夜行」を読んだのは単行本の初版だったので、ストーリーは殆ど忘れているが「面白かった」という記憶はある。で、その続編ということで読んでみたが、結果、主人公美冬に何の魅力もなく、興ざめした。読んで損したかも。

ただし、長編とはいえ文章は軽いのですいすい読めるし、普段読書をしない人にでも入りやすい面白さがあり、あっと言う間に読ませるだけの本ではあると思う。退屈させない筆力はたいしたもの。

でもこういう本は主人公の悪どさ、冷徹さにどこか人間として共感できる部分があってこそ成り立つのであって、途中まではなかなか面白いが、最終章でそれまでの面白さを一気に崩す乱雑な終わり。

読後感が非常に悪い。

雪穂の愛の証
この作品は「白夜行」の続編だと言われている。実際私もそのつもりで読んだ。

雪穂は白夜行の時より計画的で冷徹で残酷になっていた。
もう彼女に人間らしい暖かみややさしさなんてカケラもないように思える。
そして、私は美冬(雪穂)が残酷であればあるほど、彼女の中で亮司がどれほど
大きな存在だったのか思い知らされた。

お互いがお互いの人生を暗くした存在でありながら
お互いの人生を照らす太陽でもあった亮司と雪穂。
お互いがお互いの太陽であり得たのは
夜を与えたのもまたお互いであったからだと思う。

だから、雪穂の本当の闇(過去)を知らない雅也は決して雪穂の太陽にはなれない。
そして雪穂は亮司以外の誰にもそれを求めていない。
むしろ、誰かが心に入ってくるのを避けているのではないかと思う。
彼女にとって亮司以外の「太陽」を見つけることは、きっと罪なのだ。

彼女はスカーレットがタラの大地を守ったように
亮司と共有した闇と光を守りたいのだと思う。
闇は過去、光は雪穂の幸せを願う亮司の心だ。
そして、そのためには手段を選ばないしどんな犠牲も問わない。

亮司と一緒に、かすかに残った人間らしい感情を失って
モンスターになった雪穂が私は愛しい。
それこそが、彼女が亮司を愛した証拠だと思うから。



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