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薔薇盗人 (新潮文庫)

薔薇盗人 (新潮文庫)
浅田 次郎
薔薇盗人 (新潮文庫)
定価: ¥ 540
販売価格: ¥ 540
人気ランキング: 148003位
おすすめ度:
発売日: 2003-03
発売元: 新潮社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

色鉛筆のような多彩な色を見せる短編集
 小説新潮に掲載された6つの短編をまとめた短編集。読み終えてみると、掲載誌が違うものをまとめたんやないの? と不思議に思うほど趣の違う作品が集められています。

気に入ったのは
「あじさい心中」はリストラされたカメラマンがひなびた温泉で出会ったストリッパーとの一夜を描いた佳作。
「死に賃」は苦痛なく死ぬことができる方法という怪しいセールスに乗ってしまう話。「椿山課長?」のような死生観がなんとなく伺えます。この作品好きですね。

会話を連ねることで真実に迫る「奈落」や、書簡形式でなんとも皮肉な事件を描く「薔薇盗人」なども楽しめます。
浅田次郎さんの作品を読んだことがある人にはまずまず楽しめるんじゃないでしょうか。

著者得意の笑と涙
短編集6編を収める。
中でも印章的なのは冒頭の「あじさい心中」。
出版社をリストラされたカメラマンと寂れた温泉街の場末のストリップ劇場であったストリッパーとの物語。前半、元カメラマンのストーリーと思っていると、後半の幸薄い人生を歩んできたストリッパーの独白になっていく。
年端のいかない頃、望まれない結婚生活の末、生まれた赤子。やがて引き離されるとわかっている我が子に知っている限りの物語を聞かせてすごしたふたりっきりの正月というシーンがただただ泣かせる・・・。
表題作の「薔薇盗人」は遠洋航海の汽船の船長である父親に対して小学生の息子が出す手紙形式で語られる・・。無垢な語りの中で浮かび上がる現実は皮肉が効きすぎてなじめなかった。
「あじさい心中」は出色だが、全体的には三ツ星。浅田ファンならチェックしてもよいかというレベル。

毒のこもった大人のメルヘン集。
引き込まれてゆくような短編小説が6編。どの作品もグサッときます。大人のメルヘン「あじさい心中」「ひなまつり」、ニヤリとさせられるエロティックなジョーク「佳人」、会社人生の悲劇「奈落」「死に賃」、タイトル作の「薔薇盗人」は、技巧的な作品で、三島由紀夫の「午後の曳航」をパロディにしたような物語。意味深な言葉を重ね、言外に物語を綴ってゆくという面白い作品です。この著者の作品は、どれも面白いですが、この短編集も申し分ないです。小説好きの方にはお薦めです。



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