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憑神 (新潮文庫 あ 47-3)

憑神 (新潮文庫 あ 47-3)
浅田 次郎
憑神 (新潮文庫 あ 47-3)
定価: ¥ 540
販売価格: ¥ 540
人気ランキング: 6203位
おすすめ度:
発売日: 2007-04
発売元: 新潮社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

抱腹絶倒とまではいかないけれど。
本書は映画のキャストを見て、コメディに違いないと思って、
買ったまま長いこと読まずに置いてあり、ある暇な一日に読みました。
主人公は文武に長けている上、義理人情に厚くしかもお人好しという、非の打ち所のない武士なのだけど、
いかんせん、世の中と社会的価値観ががらりと変わろうとしている幕末という時勢にあって、
本領を発揮できずにいる人物。
裏表紙に書いてある通りの抱腹絶倒とまではゆかなかったけれど、
裕福な商人の姿をした貧乏神や、健康優良児みたいな力士の格好の疫病神など、
それぞれのギャップはおもしろかった。
主人公は最初は「宿替え」という方法で、神々の災難を他人に押しつけて逃れるのだけど、
最後には、自分自身の運命としてそれを受け入れ、与えられた条件のなかで、
自分の生きる意味を見いだしてゆきます。確かにハッピーエンドではあったと思います。

それにしても、漢字の多い小説でした。

純粋なエンターテイメント

 浅田さんの傑作長編。

 幕末、江戸の貧乏御家人が、不運にも落ちぶれた境遇を何とかしようと苦心するうち、河原で見つけた古びた祠に、酔いに任せて神頼みをする。
 そこに霊験あらたかに神さまが表れて大喜びするが、なんとそれは、神は神でも貧乏神だった・・・

 という導入部から、息もつかせぬ展開でぐいぐいと物語を引っ張っていく手腕は見事。神を描いていながら妙にリアルで人なつっこい様子に笑ってしまいながらも、佳境に進むにつれて、主人公の心中に一方ならぬ変化が起こっていく。

 純粋に娯楽作品としても楽しめるけれども、徐々に起こる主人公の心境の変化は、実は逆に憑き物が落ちたかのように「拘り」がなくなっていったことの証左であり、全てを手放せば、人生に向き合う中で人は無類の強さを発揮する・・・とそんなことを考えさせられました。

 失うまいとするのも無残だが、ただ野放図に捨て去ればよいと言うものでもなく、そのさじ加減が難しいのだと言う気はする。

 けれどもまあ、今の日本に必要なのは、貧乏神かもしれないな、なんて思ってしまう。

 終盤に出たお釈迦さまの描写は、僅か数行でありながら、一服の清涼剤(といったらお釈迦さまに申し訳ないが)になっていた。
 


えいがでも おもろいかもっ
全体として、コメディータッチで描く軽いお話かナァ?と思って読んでいたら、結構真剣なテーマを感じさせる話でもあったりして。
「人生ってなんだろう」とは、どの時代でも考える永遠のテーマ。
江戸時代末期の武士の様子も良く描かれていたし、面白く読ませてもらいました。
しかし、浅田次郎さんは、幅広く分野をこなし、多筆で、本当にストーリーテラーですねぇ



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