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見知らぬ妻へ (光文社文庫)

見知らぬ妻へ (光文社文庫)
浅田 次郎

定価: ¥ 520
販売価格: ¥ 520
人気ランキング: 46683位
おすすめ度:
発売日: 2001-04
発売元: 光文社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

東京模様
ある晴れた昼下がり、新宿の大ガードを抜け、小滝橋通りを歩く。「柏木公園」に到着した。空を見上げると、高層ビルの谷間の歯抜けの町並みは、失敗したテトリスの積み木のようになっている。初めの「踊り子」このあたりが舞台なのだろうと勝手に想像する。感傷に浸りながら、地下鉄で表参道に移動、骨董通りを歩く。「金の鎖」はこのあたりだろうか?そういえば意外なところに「姫椿」の銭湯らしきものも見つかった。新たな収穫だ。再び新宿に戻り、歌舞伎町のあずま通りを流す。このあたり「スターダスト・レヴュー」に出てきそうな界隈がある。どの店だろうか?なんて路地の奥をそれとなく覗く。その日の散策は終了。別の日、何気なく訪れた都庁の展望台から中央公園を眺めた。そのとき公園の端に停車しているマイクロバスに目が留まった。もしやあれは地獄行きの...いやいや、そんなことがあろうはずはない。あれは作り話だ、と自分に言い聞かせる。とそこに楽しそうな観光客の一団がバスを降りてきた。やっぱり作り話だよと安心した。自然と「見知らぬ妻へ」の面影を追っていたのだった。街を歩いていると、ストーリーがフラッシュバックしてくる。自分は東京に出てきて何年も自分の居場所が見つからなかった。ただ、この本を読んだあと、暇があると新宿界隈を散策するようになった。この本は、自分自身の居場所を教えてくれたような気がする。地方から出てきた人が、よく「東京の人は冷たい」と言うが、これは大きな間違いだ。そういう人には「あなたもすでに東京の人なのだよ」と教えてあげないといけない。それがその人への励ましになるのだ。

味わい深い8編
非常に味わい深い、8編の短編が収められています。一つ一つの物語がとても丁寧に描かれおり、いい意味で人によって好みが分かれるかなぁと言う印象です。ちなみに私は「スターダスト・レビュー」が一番好きでした。

一つでも気に入った物語があった方には、同じく短編集の「鉄道員」もお勧めです。


ただし、表題作の「見知らぬ妻へ」は「鉄道員」に収録の「ラブ・レター」と同じ元ネタと思われ、ストーリーがほとんど同じだったのでちょっと残念でした・・・。



いつもの佳作
浅田次郎はアウトロー的な人物が実は真面目な人物であることを描いている作品が多い。『月のしずく』や『天切り松』などは、その代表だが、この本の「迷惑な死体」もそうした作品のひとつです。
「かくれんぼ」というジョージと呼ばれる混血児をいじめる子供たちの過去と現在を表現した作品も感銘深い作品です。



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