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真夜中の喝采―きんぴか〈3〉 (光文社文庫)

真夜中の喝采―きんぴか〈3〉 (光文社文庫)
浅田 次郎
真夜中の喝采―きんぴか〈3〉 (光文社文庫)
定価: ¥ 560
販売価格: ¥ 560
人気ランキング: 11881位
おすすめ度:
発売日: 1999-09
発売元: 光文社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

謹んで訂正します
最終巻まで読み終えて、『きんぴか』がいい!という読者のかたが多いわけがわかった。・・・やっぱりいいもの。
ちょっとじーんとくるエンタメ作品と決めてかかっていたら予想を裏切られた。えっ!うそっ!がーん!という展開ののちに、ほろ苦さ漂う結末に・・・・・・

思うに、3人の過ごした夢の砦は、巨悪を倒すための拠点ではなかった。そもそもこんな今時希少な筋の通った男たち、世間の枠に収まりきらない男たちが、ひとつところに止まっていられようはずがないのだ。夢の砦は、躓いた男たちが友情という心地よい毛布にくるまれてしばし羽を休める場所であり、それまでの出来事に決着をつけ、自分を見つめ、次なる場所へ向かうためのジャンピングボードだったのである。砦を後にする3人に、輝かしい未来が約束されているわけではない。それでも一歩を踏み出さなければならない、そういう宿命を背負った男たちなのだった。

それにしても、元大蔵官僚・広橋に次の一歩を踏み出す決心をさせた事件は重かった。その分、彼はまわりまわって引き継がれた「勇気」を糧に、精一杯のことをしなければならない。3人を巡り合わせてくれた退職刑事・向井のためにも・・・・・ 今は、それぞれの場所で三人三様の活躍をしていることを祈りたい。

一巻のレビューで、本書について「浅田氏のエンタメ作品の原点」と書いたが訂正する。『きんぴか』は、のちに繰り返し描かれるモチーフが点在する、浅田氏すべての作品に通じる物語なのだと。

楽しませてもらいました。
「きんぴか」シリーズの最終章。後半になるにつれ、著者の筆が一段と冴え渡ってくるようです。主人公の3人の個性が読み手にも飲み込めて行くに従い面白さが増してゆきます。3巻には「一杯のうどんかけ」「真夜中の喝采」「裏町の聖者」「チェスト!軍曹」「バイバイ・バディ」の5編。「一杯のうどんかけ」は「一杯の掛けそば」のパロディですが、貧しさで商いを行う家族が登場します。「真夜中の喝采」は、先に登場した硬派新聞記者の突然の死に立ち向か3人の物語です。軍曹の活躍が鮮やかです。そして「裏町の聖者」は、広橋の前妻の夫の物語です。現代の赤ひげ物語。軍曹の帰郷を描いた「チェスト!軍曹」。ラスト・シーンも素晴らしいです。煙草に火をつけようとして、マッチ箱に一本だけ残っていて「ありがてぇ」と呟く向井刑事。必要なものだけがあれば幸福であることを忘れてしまっている現代人へのテーゼとも感じられました。1?3巻まとめてお読みになることをお勧めします。

大好きです!
浅田氏はこれまでに多くのジャンルの小説を書いていますが、その中のピカレスク物ではこの「きんぴか」シリーズが最高です。もう何回読んだのかわかりません。
あまりにはまりすぎて、きんぴかのあと、浅田氏の粋なピカレスクものばかり何冊も読んでしまいました。
私は登場人物の中でもピスケンが一番好きです。浅田氏の書く江戸っ子はいいですね。粋です。私自身他県民なのに、江戸っ子の田舎者やおのぼりを馬鹿にするアパルトヘイトぶりすら格好良く見えてきます。
昔よりピカレスク物の生産数が減った作者ですが、私はこれからも浅田氏の粋な悪漢小説を読み続けます。



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