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歩兵の本領 (講談社文庫)

歩兵の本領 (講談社文庫)
浅田 次郎
歩兵の本領 (講談社文庫)
定価: ¥ 600
販売価格: ¥ 600
人気ランキング: 90458位
おすすめ度:
発売日: 2004-04
発売元: 講談社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

新しい世界を知る面白さ
自衛隊に興味があるとかないとかの話ではない、と言うのが正直な気持ちです。
と言うか、とにかく知らない世界を垣間見る。それが自衛隊だった、と言う感じがまず最初に思ったことですね。
特に、1970年代を学生で過ごした、ポスト団塊世代の人には感慨がひとしおかなぁ。
自分が学生を過ごしていたあの時代に、こんな青春?を過ごしていた同世代の若者がいたなんて、きっと信じられんでしょう(私もその一人です)。
こんな世界があったのか。その発見が新鮮です。
また、この時代には、まだまだ太平洋戦争の記憶と従軍者(例えば私の父のような)が現役で世の中にいたんだなぁ、と。
これもなんだか新鮮な発見でした。
短編の一つ一つはいろんな視点から描かれています。とにかく、オトコくさいな。言い意味でね。ほぼ女性の登場場面はありませんから。
そのわりには女の人の話をしようとする登場人物。なにやらほほ笑ましい気もします。

全体的にペーソスと言うか、情感と言うか。なかなか趣の深い作品ばっかだった気がしますね。

この本がきっかけです!!
私はこの本をきっかけに浅田中毒になりました!本となると挫折することしばしば。でもこの本はスラスラ読めたので初心者でも大丈夫だと思います。自衛隊に興味ある人はなおいいでしょう。なんせ話の中身は自衛隊ですから。今の自衛隊とは環境も規律も違うので、こういう時代もあったんだなと思いながら読んで欲しいと思います。時代風景やその時代の自衛隊員は何を思っていたのかを感じとって欲しいと思います。そして、おおいに涙して下さい!!


浅田次郎が描く自衛隊
学生運動華やかりし頃、はたまた高度成長真只中の1970年、事情を抱え自衛隊という特殊な社会に身をおいた人々を描いた連作短編集。
二年毎に至急される退職金を目当てに下士官への昇進を断り続け、部屋の主となっている古参兵のエピソード、旧軍生き残り予科練出身の老下士官のエピソードに始まり社会から隔絶された、階級社会のそのまた最下層の兵士たちを描く。
旧軍さながらの体罰・しごきが残る営内班生活が描かれれば、一方で浅田次郎のこと、奇妙な人々を描きながらその視点はやさしく収録された作品の最後にはホロリとさせる・・・。
保証人倒れで妻子を抱えた境遇で自衛隊に入った新入隊員に、営内班の全員で少ない給料から金を出しランドセルを買うエピソードにいたって最高潮に達する。また最終作では自衛隊を辞めることを決意した主人公に最後にわざと殴られるベテラン軍曹のエピソードも感動(ちょうどリチャード・ギア主演の映画「愛と青春の旅立ち」に登場した訓練担当の軍曹にも印象が似る)。
俗世間から隔絶されその成立ちから色眼鏡で見られるなど、奇妙な組織・人物たちという描き方だが、その底には著者自身がかつて属したという組織への愛情がにじんでいて、それがまたなんともいい雰囲気を残す。



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