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日輪の遺産 (講談社文庫)

日輪の遺産 (講談社文庫)
浅田 次郎
日輪の遺産 (講談社文庫)
定価: ¥ 790
販売価格: ¥ 790
人気ランキング: 113006位
おすすめ度:
発売日: 1997-07
発売元: 講談社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

読後感は爽やかな気持ちとやりきれない切なさ
帝国陸軍が奪ったマッカーサーの財宝を、終戦直前に隠すという使命をえた身分も年も違う人達の運命と、50年経った現在を生きる者のなんともいえない一体感のような・・・そんな話・・・かな?
戦時の歴史をよく知らないし、人物も名前は聞いたことあるかな?程度だったのでうまく説明は出来ませんが、その当時の人達の気持ちとか考えると胸が詰まるような感じがしました。
かなり日本人が読んで気持ちのいいものになっていたとは思いますが、本当の人の気持ちは誰にも分からないので、そうだったらいいなと思いました。

今回は、姉が面白かったというので貸してもらって読みました。
私は浅田さんというと「鉄道員」しか知らなかったもので、この本は新刊なんだと思ってたら1993年に刊行されたものの文庫でした。
どうりで読んでいて年齢がおかしいな・・・と(^^;)
私はひねくれてるので、ベストセラーでも「感動した」とか言われるものは『ケッ!』っていう感じで読む気にならなくて、浅田さんもそんな作品ばっかり書いてるのかな、とか思ってました。
「鉄道員」の印象しか無かったから・・・読んでないけど。
なかなか読みづらい所もあった作品ですが、読後感は爽やかな気持ちとやりきれない切なさでいっぱいになりました。


泣かせない
さすが浅田次郎と言う感じで、ドラマチックであり人間味あふれ、面白い作品でした。
第二次世界大戦末期の混乱の様子が非情に興味深い。
意外に、マッカーサの事なんかでも知らない事が多く、更に話題になるA級戦犯や、終戦時の自刃した閣僚や軍のトップの印象がずいぶん変わりました。彼らもやはり一個の人間であり、時代と社会の大きなうねりに翻弄され、それぞれは各人なりの誠実さで生きて死んで行ったんだなぁ、と。このあたり、改めてきちんと勉強しないとずいぶん(学校の歴史では)知れない事が一杯ありそうです。
そんな昭和史のドラマ中のドラマの出来事、終戦、を境にした大金探しの謎解きと矜恃を持った人たちの生き様が描かれている。
ただ、浅田作品としては、普通と言うか少し劣るか。
終戦時の出来事と現在の出来事が交互に描かれているが、終戦の頃の方は非常に生き生きしているのに比べ現代の部分は、何と言うか饒舌に過ぎ軽い。斬新さを狙った構成かも知れないけど、現代の部分が足を引っ張っている。そんな印象です。
また、マッカーサが出てきてからも微妙に、何と言うかな日本人が米国人の心の内面を書くからか、ちょっと違和感があります。
あれかしら、浅田作品は、泣かせないとあかんのかなぁ。

日輪の遺産とは・・
さすが浅田氏の作品だけあって、人をぐいぐいと物語に引き込む
展開のおもしろさ、安っぽいお涙頂戴物に終わらない義理人情の
世界を描いてみせるなど、新人作家では出せない渋味があり、
胸に響くものがありました。

しかし、この作品は、いわゆる戦争物とはその趣を異にしています。
人々が戦争に駆り出されていく悲惨さや戦時中の貧しさのなかで
必死に生きていた人々の姿が克明に描かれていると期待して
読むと、期待はずれに終わるでしょう。

あくまでも戦時中に仕組まれたある巨大な「遺産」をめぐる
ミステリーだからです。

一つ残念だったのは、過去と現在のクロスオーバーの語り口は
斬新ではありますが、途中で先が読めてしまい、途中から面白み
が半減してしまったことです。

もちろん、著者はそのことを十分承知で、意図的にそれを導入
したんでしょうが・・・。




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